3.11から伝承すべきこと 003|3.11SAPPORO CINEMA上映会「大地を受け継ぐ」

農を生業にして生きるということ。

2019年3月23日(土)、3.11SAPPORO CINEMA 第2回上映会を開催する。

今回上映するのは井上淳一監督 ドキュメンタリー映画「大地を受け継ぐ」。

北海道は農業、酪農、漁業の土地だ。観光も、これらの第一次産業があってのもの。それがなければ、観光は成り立たない。北海道を支えているのは間違いなく、日々、土や海や山とともに生きる方々だと、私は思う。

だから、この映画を多くの方に見ていただきたい、と思う。特に、札幌など、都市部にくらす方々にみて欲しい。なぜなら、例えて言えば、札幌市民の暮らし方は、東京の人間のようではないか、と感じることがあるから。

原発に賛成か、反対か、ということじゃない。

原発事故関連の映画を上映したり、話をしたり、文章を書いたりすると、つまらないレッテルが貼られるような気がしている。原発反対派なんだな、と。そういうレッテルは、現実に起きていることや、ことの経緯や原因を飛び越えて、検証すら飛び越えて、反省して2度と繰り返さないためにこれからどうしていくのが私たちのやるべきことか、ということもすっ飛ばし、ただ、安っぽいステッカーのようにペタッと貼られていくような気がしている。

面倒くさいな、と思う。でも、そういう面倒くささの中に、本質があるように感じる。

原発について、賛成するには賛成するなりの理由が、反対するには反対するなりの理由があるのだが、面倒くさいな、と思うのはその理由を論じ合える場がないまま、批判ごっこになることだ。

受動的に知らされていることの範疇で物事を判断することほど、怖いことはない。

 

「知らなければ、何も始まらない。

だから、ボクらは福島へ向かった」

この映画のコピーはそう語る。

大事なのは、この映画に出てくる学生たちのように「声」に耳をかたむけること。そして、自分が同じ立場だったら、を考えられる想像力を働かせることだと思う。

そういう場が少なければ、機会をつくり続けることだと思う。

それが、起きたことを真摯に受け止め、学習し、同じ過ちを繰り返さないために、まずできることだと思う。

そして、3.11SAPPORO CINEMAが、そういう機会のひとつになれば、と願う。

映画を観終わった後に、映画を観たもの同士で話をする時間を設けている。感じることは人それぞれ。観たもの同士の「声」が聞きあえればいい。

上映チラシダウンロード

3.11SAPPORO CINEMA「大地を受け継ぐ」

日程 2019年3月23日(土)

時間 開場13:00 上映13:30 参加者によるインプレッション 15:00

会場 札幌市資料館2階研修室 札幌市中央区大通西13丁目  ※車椅子でお越しの方は、階段に備え付けのリフトが利用できます。

料金 前売1000円 当日 1200円

※前売りご希望の方は、メール、または電話にてお申し込みください。当日会場で料金と引き換えにチケットをお渡しします。また、3月10日(日)、11日(月)に札幌駅前通り地下歩行空間で行うイベント 3.11SAPPORO SYMPO「9年目の3.11」会場でも販売いたします。

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「大地を受け継ぐ」公式HP http://daichiwo.wordpress.com/

出演:樽川和也 樽川美津代

井樫彩 井澤美采 石田佳那 一万田若葉 内田夏奈子

金子鈴幸 樽見隼人 千葉航平 野月啓佑 宮田俊輝 矢部涼介

白井聡 馬奈木厳太郎

監督:井上淳一 企画:馬奈木厳太郎

プロデューサー:小林三四郎

撮影:鍋島淳裕 桑原正祀 堀部道将 西佐織

照明:堀口健

録音:光地拓郎

整音:臼井勝

編集:蛭田智子

助監督:植田浩行

製作進行:長谷川和彦

宣伝プロデューサー:矢澤一範

海外窓口:中西佳代子

エンディング曲:フラワーカンパニーズ「日々のあぶく」(Sony Music Associated Records)

協力:東放学園映画専門学校 河合塾COSMO 明治大学駿台映画製作研究部

「大地を受け継ぐ」製作運動体:馬奈木厳太郎 井上淳一 太秦株式会社

配給:太秦

(C)「大地を受け継ぐ」製作運動体
【2015年/日本/カラー/HD/86分】

 

 

北海道札幌市生まれ。東京造形大学卒業。

2007年までアンティーク家具修理に携わる。東日本大震災後、北海道NPO被災者支援ネットに所属。2017年より3.11SAPPORO SYMPO実行委員会 実行委員長。